「筆は画家の指先」という言葉があります、ならば「指先も画家の筆」であるはずです。
画面に画材が触れている時、画家の意識が何処にあるかは
『上達への意識養成』の所に書いた様に自分からは見る事が出来ない場所です。
ここを意識するのに最適な課題がありますのでトライしてみて下さい。
レンブラントの細かく描いていないのに細部が感じられる筆さばきは
この課題で使う感覚の延長線上にあります。
用意するもの
1.キャンヴァス F12号位の大きさの油性キャンヴァス
2.油絵の具 ピーチブラック
3.テレピン油
4.大き目の白い皿(通常のパレットは使わず、代わりに使用します)
5.ウエス(手を拭いたり、指に巻いて画面を拭き取ったりするのに使います)
6.上半身が写せる大きさの鏡
モチーフ 自画像
制作のテーマ 『筆を使わず指で出来るだけ細かな様子まで感じられる絵を描く事』
採光は明るく変化の少ない状況にしてください。
使う絵の具はピーチブラックのみ、筆の代わりに手(指)で自画像を描いてください。
制作時間の目安は30時間位
制作のテーマである『出来るだけ細かな様子まで描き出す事』を意識すると、
絵の具の状態(濃度)と指の使い方に工夫が必要になります。
※付けると同様に絵の具をどう取るかも大切です。
絵は常に「何を描いたかでは無くどう描いたか」が大切です。
更に、どう描いたかは『画面に絵の具をどう付着させて残したか』に集約されます。
今回用意した課題は絵の具が思う様に扱えない事に苛立つ制作になるかもしれません。
めげそうになったら、レンブラントがこの課題で使う感覚の
延長線上に居ることを思い出して画面と闘いましょう。
無意識下での収穫は大きいはずです。