膠(ニカワ)

画材の神さま

膠(ニカワ)

ニカワは、動物の皮などを煮詰めて抽出したコラーゲン(動物性のゼラチン)です。

種類としては以下の様なものがあります。

うさぎ膠   粒状
HM     粒状
つぶ膠    粒状
三千本    棒状

膠は水溶液にして使います(これは別の機会に詳しく説明します)。
用途としては、日本画では顔料(岩絵の具)と混ぜて描く顔料の接着剤として使われます。
油絵の場合キャンヴァスの麻布に塗って、絶縁層にしたりします。

膠の絶縁層は、油絵の具の油分が麻布に吸い取られてしまわない役割を果たします。
油絵の具は、油分が接着剤ですから、油が吸い取られてしまうと剥落してしまいます。
(キャンヴァスの白い塗料はこの上に塗られています)

膠を水溶液にするときの手順は、 膠を水に一晩浸けて膨潤させる→湯煎する。
この時、絶対に60℃以上にならない様に注意します。そうしないと膠の成分が変化してしまい
接着剤として働かなくなってしまいます(勿論直接火にかけるのは厳禁です)。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回の本題はここからです。

水溶液にして使う膠ですが、水:膠 の比率をどうするかが問題です。

膠は近年品質の低下が著しい画材のひとつです。

(最近の膠はほとんど中国で製造されています)

残念ながら、昔ながらの製法で真面目に作られてはいないのが現状です。
膠ではないもの(合成樹脂など)が混入していると思われます。

主な弊害としては、膠の命である固着力の低下がみられます。

膠は種類、製法、などによってその固着力がバラバラです。
おおよその比率の目安として 水:膠 = 10 : 1 (重量比)位にしないと目標とする固着力は得られないでしょう。
最終的には現場判断となりますが、、。

膠(ニカワ)

私は古き良き時代の膠をもっていますが、それを水溶液にしたものを我が家の猫君が舐めていました。
最近の膠ではわかりませんが舐めないかもしれませんね。

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