手作り画材で再認識
画材の神さま
有るのが当たり前になってしまうとその価値を認識するのが難しくなるのは
何に限らず同じだと思います。
画材の世界でも筆、絵の具、キャンヴァス、木炭、等々は
その昔は画家自らの手で作っていたものです。
そんな画材たちへの認識を新たにするために
ひとつ前の原料に近い所から自分で作ってみるとその画材の持っている
勘所に気が付くことができます。
筆やペインティングナイフを作るのは非現実的であっても比較的取り組みやすいものもあります。
例えば麻布の生地を買って来て膠を引いて白色の地塗りをしてみると
普段何気なく描き始める白いキャンヴァスを見る目も自ずと違ってくるはずです。
その他、絵の具を練ってみる、パステルを作ってみる、等々、。
画材に限らず絵画制作、延いては芸術全般は現実を再認識することを
スタートとして新しい価値の創造へと向かいます。
画家にとって一番手近にあって自在に使いこなせなければならない画材たちを
一つ前に巻き戻してみることはその画材だけでなく思いもよらぬ他要素を
再認識させてくれることでしょう。