キャンヴァスの織り目は色味を増やすアイテム
芸術論とひとりごと
少なからず凸凹のあるキャンヴァスの織り目は、
木炭紙に木炭でデッサンする時にそっくりの働きをします。
同じ絵の具を同じ筆で画面に付ける場合にも、表面に引っ掛けて
かすれさせる様な描き方と、こすり込む様な付け方では色味は異なります。
「トーン(濃淡)の性質の違い」および「木炭と油絵の具の共通点」参照
木炭は一色、油絵の具は十数色からスタートして
無限数の色味表現を試みることで見応えの有る絵になります。
キャンヴァスの織り目があることは、絵の具を混色するのと同様に
色味のヴァリエーションを作ることが出来る大切なアイテムなのです。
混色してグラフィックに塗る事を、縦×横 とすると
キャンヴァスの織り目を使って絵の具の付け方を工夫することは 縦×横×高さ
の様に組み合わせの軸が一本増える様なものです。
追伸
限られた数から無限を表現するのは芸術の真骨頂です。