展覧会の理想形『生涯全作品展覧会』
画家の生涯の歩みは芋づる式につながっています。
故に一生の間に描いた作品の全てを、
制作した順番に並べた展覧会が出来れば
理想的な展覧会となるでしょう。
画家の制作は思い付きやアイデアでなされるものではなく、
前作が次の絵を描かせる連続体で成り立っていることもお分かり頂けると思います。
すべての作品を並べて見る事が出来れば
何をどう考え捉えたかが圧倒的な説得力で鑑賞者に伝わって来ます。
良い絵は一枚でもその中に人生の消毒薬となる
美の処方箋がはいっていますが発明者本人のしくみまで感じ取る事が出来るのが
『全生涯作品展覧会』です。
残念ながら作品は多くの場合画家の生活の糧でもありますから
世界中に散って存在するのが現実です。
生涯の制作を貫く太い幹は、画家本人にも予め知る事は出来ません。
またその本筋が無い様では真の芸術家とは言えません。
追伸
私はいつかそれを確認出来る様、
手元を離れて行った作品以外の全てをとってあります。
完成に至らなかった絵も全てです。