至高の油絵の具 『顔料の条件』

画材の神さま

今週は何回かに分けて油絵の具の事を書いてみたいと思います。

顔料を油(乾性油)で練ってあるものが油絵の具であることは以前にも書いた通りです。

顔料は水や油などの溶剤に溶けない色の粉で化学組成は様々です。

溶けないと言う事は均一に混ざった状態を保たず分離する事を意味します。

前置きはこれ位にして本題に入ります。

油絵の具の顔料に求められる最も優先度が高い要素は何かと言うと

それは『彩度』の高さです。

下の写真『色立体』をご覧ください。

日本色研 ライト色立体

日本色研 ライト色立体


色立体は色を『明度』『色相』『彩度』に分解し

各色の住所を分かり易く立体的に図式化したものです。

中心軸の白から黒までで分かるように縦軸が『明度』を表します。

円周上の色の変化である、赤、橙、黄、緑、青、紫、は『色相』

そして中心軸からどれだけ外側に離れているかが『彩度』の高さを表します。

油絵の具になる顔料各色がどうあるべきかは明白です。

最高明度の白、最も暗い黒、そして最高彩度の各色相色です。

最も鮮やかな黄、赤、緑、青、、であることが求められるのは次の理由に拠ります。

「絵の具は混色する事で彩度を落とす事は出来ても上げる事は出来ない」

故に各顔料は化学的安定性、耐光性、等の基本条件をクリアした

『最高彩度色』であることが求められます。

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