金子豊文の公式サイト|美感のルネサンス

世界唯一の白亜地刻描の画家

『寄せの感覚と制作の端』

Toyofumi Kaneko | 2017 - 01 - 03

絵の制作は限られた要素を使い一つの世界を構築して行く行為ですから

その中で起きることは全て相対的に作用し合っています。

白いキャンヴァスに、絵の具の白を乗せればキャンヴァスは

くすんだ白に見えますし、赤い絵の具を塗れば

他の場所は間接的に緑に傾いて見える様に影響を受けます。

また、ゆっくり引いた線に対して勢いよく引いた線を入れれば

それぞれの線はニュアンスの違いが強調されます。

同様のことは図の大小、絵の具の厚薄、その他全てに及びます。

先日、構図の変更が絵を壊してしまう理由を書きましたが

絵画制作では、「要素を増やすのではなく、意味が増える様に

各要素の相互関係を構築しなければなりません。

限られた面積と絵の具の数から無限数の響き合い(美の関係)

を創り出すことが絵の成功です。

そして綿密に絡み合った美の関係が鑑賞者の目を飽きさせない

『循環する無限』を捉えた時が絵の完成となります。

全体を把握した上で完成へ向けて動的バランスととりながら

『寄せて行く感覚』は画家の技量そのものと言えるでしょう。

完成へ向けて寄せて行く為には、「無茶と大胆」「思い付きと必然」の区別が必要です。

また要素の全量や限界値は不動でなければなりません。

『寄せ』は将棋の対戦でも使われる言葉です。

ある勝ち方を盤上に形作って行くことを指しますが、

その過程で王、飛車、角、金、銀、桂、香、歩、以外の新種の駒を登場させたり、

9×9の盤面を10×10に広げたりすれば局面は壊れます。

寄せの為に基準が動かない事が大切なのは絵画制作も同じです。

そういう目で描き始める前のキャンヴァスや絵の具達を見てみてください。

画面の矩形、大きさ、は全世界の広さの定義であり

絵の具の純度(彩度)は色世界の限界値です。

描き始める前の画材の段階で『制作の端』は頼もしく定義されています。

→【金子豊文・美感のルネサンス 】トップページへ戻る

RSS