効果的な絵の具の厚さの限界点

暗色の均一な地塗りをしたキャンヴァスを用意して

その上に豚毛の筆でシルバーホワイトを色々な厚さでつけてみてください。

かすれる様に極薄く付けたり地塗りの色が隠れる位に厚くつけてみたりします。

シルバーホワイトがある程度薄い段階では、地塗りの色の透け具合で色の抑揚が生じます。

パレット上で混色した色を塗るだけでなく、絵の具の厚さで最適な色味を探すのは

油絵の具の使い方の真骨頂です。

徐々に厚く乗せていくとある程度厚く付けた所でシルバーホワイト色になり

それ以上色味の変化が生じなくなります。

その厚さが絵の具が効き目を見せる限界点です。

この時のシルバーホワイトの厚さは地塗りの色の違い(主に明度の違い)によって異なります。

一見とても厚く乗せてある様に見えるゴッホの画面では、暗褐色の地塗りの上に

限界点の絵の具が乗せられて描かれています。

では、絵の具をそれ以上厚く付けたらどうなるか?

効き目以上の絵の具は無駄の一種です、結果として画品を損ないます。

暗褐色の地塗りは以下の様にして作って試してみると良いでしょう。

6号程度のキャンヴァスを用意して

ローアンバー(暗褐色)で地塗りをしてみてください。

テレピンで薄めて柔らかい毛の刷毛で塗りましょう。

出来るだけ均一な色になる様心がけてください。

1層で済ませようとせずに乾燥後2層、3層と塗り重ねましょう。

完全乾燥するまで1か月ほど待ったら出来上がりです。

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