デッサン=目と手の訓練
芸術論とひとりごと
下の写真をご覧ください。
ごく普通のプラスチック素材のUSBメモリです。
黒い方と白い方それぞれに明部と暗部がありますが白い方のUSBメモリの中の暗い所は、
黒いUSBメモリと比べると大して暗くはないことが分かります。
このことを踏まえて普段のデッサンの事を思い浮かべてみてください。
ほとんどのデッサンでは、白い紙に黒い描画材料で描いて行きますね。
例えばモチーフが白い石膏像だったとします。
描いているうちに何だか黒ずんだデッサンになってしまうのは誰もが経験がある事でしょう。
先程のUSBメモリの所で確認した様に、白いものにできる陰影は大して暗くは無いのです。
人間の目は部分を注視(拡大解釈)する事で大して暗く(黒く)は無いものを
大げさに暗く見る事が出来てしまいます。
また手にしている描画材料は黒い画材です、使い方に相当な繊細さが伴わなければ
直ぐに黒く付いてしまいます。
この二つの理由から「白いモチーフを描いているのに白いものを描いたデッサンに見えない」
事が起こります。
白いものを黒い画材で描くのは一見矛盾している様に感じるかもしれませんが
絵画修行としては大変良い訓練の場となってくれます。