根性描きは永遠の基本
モチーフの全体と部分は相互に影響しあって出来上がっています。
先ずはその事を実感することが大切です。
根性描きの第一の効能はそこにあります。
形が、質感が、パースペクティブが等、一切の能書きを捨て置いて、
ひたすら描いてみてください。
描きあがったデッサンが歪んだものになっても構いません。
生涯の一枚を描いているのではないのですから大丈夫です。
自分が制作中どう観てどう描いて行ったのかを思い出して
辿ることができない集中の時間を経た画面は、
紙や鉛筆木炭と言う画材から物質感を絵の物質感に変化させているはずです。
これが第二の効能です。
無意識に行われる自分の観方や描き方の癖は、直すべきところは直す様心がけて、
素敵な癖は自分の持ち味として大切にして行くことでやがて個性へとつながっていきます。
葉をみて枝を見ず、枝をみて木を見ず、そして木を見て森を見ず、
手っ取り早くお利口に最初から森を捉えようとしても
そこに無数の葉が無ければ絵として空虚です。
根性描きは永遠の基本です。