線とかたち
芸術論とひとりごと
線は人の発明品
線は人間の発明品で自然界には存在しません。
正確に言うと線に見えるものはありますが人間が認識する線と云う
抽出概念に相当する物は存在しないのです。
実際にあるのは、「或るものとその他のものとの境」です。
線は便利な発明品なので絵の中(特にデッサンの場合)よく使われます。
輪郭線として使われたり線を集積してモチーフの陰影を作ったりするのに使われます。
描き進めて行くと画面効果として線をそのまま残す場合以外には
線はモチーフそのものの一部になる宿命を負っています。
かたちの正体
みなさんに「モチーフ(描く対象)のかたちを描いて下さい」と言うとほとんどの
方が輪郭線を描こうとしますが、”かたち”には次の2種類があります。
①外のかたち 対象の輪郭
②中のかたち 対象の輪郭に囲まれた内側の起伏
「①+②=対象そのもの」
これは全てのモチーフについていえます。
要は外のかたち(輪郭)の中に、中のかたちを描けばよいのです。
そして中のかたちを描くための方法は何種類かありますが
代表的なものに『光の当たり方の様子』を使う方法があります。
立体物を描く為のしくみは、たったのこれだけです。
あとは精度とクオリティーの問題になります。