「今は無き画材たち」クレサンキャンヴァス
画材の神さま
クレサンキャンヴァス
クレサン(ベルギー製)の油性キャンヴァスは
以前は大変品質が高いキャンヴァスでした。
キャンヴァスは麻布の上に膠を塗り、
更にその上に白色塗料を塗ってあるものが一般的です。
その白色塗料の成分性質の違いにより、油性キャンヴァス、
半吸収性キャンヴァス、吸収性キャンヴァスなどがあります。
中でも油性キャンヴァスは油絵の具で絵を描く方に
最も馴染みが深いキャンヴァスでしょう。
普段は木枠に張ったらそのまま描き始めるので
キャンヴァスのことはあまり意識されないかもしれませんが
例えば絵の具を画面全てに乗せる前に絵が完成してしまったらどうでしょう。
実際にそういう絵を遺している画家もたくさんいます。
昔のクレサンキャンヴァスはキャンヴァス地を残したまま
絵が出来上がっても大丈夫な品位を備えていました。
絵の具に負けない物質感をもっていたのですが、それも十数年前までのこと。
キャンヴァス職人の健康に問題ありとのことで麻の上に塗る塗料が変わってしまいました。
気持ちを高めたのを懐かしく思い出します。
因みに十数年より前のクレサンキャンヴァスの白色塗料の主成分は
鉛白(塩基性炭酸鉛)+亜麻仁油でした。