金子豊文の公式サイト|美感のルネサンス

世界唯一の白亜地刻描の画家

迷信と思い込みについて

Toyofumi Kaneko | 2012 - 02 - 26

人を描くのは難しいというのは嘘

人間の脳は何なのかわからないという状態を嫌いますので、
目にしたものの中に意味を探そうとします。
つまり何かを見たとき記憶との照合をしているのです。

目の前にあなたと親しい人が居るとします。
もし先の脳の働きが無ければあなたは一寸よそ見をして
もう一度視線を戻したときに「初めまして」ということになるでしょう。

よく人を描くのは難しいと云われるのは、人間にとって人はもっとも関心が高い対象なので、
想像以上に細かく記憶しているからなのです。

特に顔に関しては本当に細かな表情の変化も見逃さないでしょう。

「今日は顔色が良くないね大丈夫?」とは言いますが、
「今日は手色がよくないね大丈夫?」とか
「今日は足のくるぶしのしわの様子が良くないね大丈夫?」とは言わないでしょう。

人、特に顔に関しては非常に細かな起伏の変化も見逃さないように観察して
描かなければなりません。

つまり描く側は人を描くとき顔、(その次には手)は他の場所を描くときよりも観る倍率、
描く倍率を上げて描かなければ自然に見えない訳です。

人を描くのは難しいというのは嘘です。

自然に見える様にするために場所によって描く倍率(密度)を変えれば良いだけです。

意味の無いかたちの方が捉え易い

人は意味のない形の方が捉えやすいのです。たとえば壁のシミなどの不定形は頭の中に当てはめる意味単位が無い(何にも見えない)ので、
ありのままに見ることがしやすいものです。下の画像の左は染み、右がそれを見て描いたものです。

絵画上達プログラムでは、墨汁の染みを描くことを実践プログラムとして取り上げています。
これは、シミの位置、かたち、を画面の中に探すときに画面の端の線を意識することで、(立体物や人物など)モチーフを描くときに必須の画面意識を養います。

反対に意味のあるかたち(何かに見えるもの)だと、観察が浅くなりやすいので要注意です。
例えば顔だと思って描くと観察が浅い自分の思い込みの形のまままとめてしまい易く、
幼稚な図になってしまいます。

個性と普遍

古今東西の絵画は、比較してどちらがより良い作品であるか優劣をつけることが出来ます。

そしてある程度の順位までで区切り、そこから上位を横に並べてみたときのそれぞれが個性です。
このグループのなかに好き嫌いが入り込む余地はありません。
本物の個性は、この様に非常にレベルの高いところにしか発生しないのです。

→【金子豊文・美感のルネサンス 】トップページへ戻る

RSS