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世界唯一の白亜地刻描の画家

【第10話】夏の終わりに

Toyofumi Kaneko | 2010 - 09 - 15

暑い日が続いた今年の夏も、一昨晩の雷鳴で空気が秋のそれに入れ替わり
今朝は静かに曇っている。
庭にあるイオンの墓は陽当たりも良いので、
夏の間に生けた花は、まめに水を替えても3日ともたなかった。

「花の命は短くて、、、」せっかく咲いた命を余計に短くしてしまう気がして控えていた花を
今朝、1ヵ月振りに飾ってみることにした。
近所の畑の端に咲いている向日葵を少々失敬して来て適当に生けると
秋の風に吹かれて花も心地よさそうに見える。
今年は連日の暑さに夏が終わらない心配をしたりもしたが
急に涼しくなってみると、もう一度その黄色を見ておきたくなったのだ。

そう言えば夏の間、湯呑みの中の住人だったカエル君もいつの間にか居なくなった。
一日で半分に減ってしまう湯呑みの水は、彼が留守の時に入れ替える様にしていたが
毎朝お線香をあげる時、その姿が見られなくなったのはいつからだろう。

只中にあっては分からずとも過ぎてしまえば懐かしく思い出される記憶の扉。
今年の夏の終わりの景色としてそこに仕舞われるのは、
カエル君の緑と向日葵の黄色と言うことになりそうだ。

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