【第37話】 子猫を一人

言葉のスケッチ

最近ネオが、つまらなさそうな顔をすることが多くなった気がする。

先住猫のイオンが居たのは4年前までのことで、
ネオにしてみれば、ニャン生の半分地点までの楽しかった猫同士の記憶までも
段々と遠ざかっているのかもしれない。

いつも見慣れた家の中には、わくわくする様な発見があろうはずもなければ、
私が話を聴く様にアイコンタクトしてみても、
追いかけっこやかくれんぼやプロレスごっこの相手をしてみても、
ふとした時に、つまらなさそうに窓外を眺める。
その背中に人間の限界を見せられているような気がする。

話し相手や遊び相手や喧嘩相手は、やはり猫同士でないと務まらないのだろう。

我が家の家族構成は、人間族2、猫族1、アンバランスである。
このままでは家族会議をするにも、猫族に不利で、
自由と公平を愛する我が家の家風に合わない。

こうなると最初から分かりきっていた解決策はいよいよ明瞭に眼前に迫り、
新しい家族として、猫を一人迎えることを四方から迫られる気がする。
我が家では猫を猫扱いしません。もちろん肉体的な違いや習性の違いなどは、
お互い尊重し合う対等な関係を相互に保って由とします。

『子猫を一人求む』

性 別:男の子
その他:黒猫、アメリカンショートヘアー、シャムネコ以外
※これまで一緒に暮らした猫達と見た目が違うこと

と考えてみても、やはり『出会いは縁』。
パッと見て、ピン!と来る子との出会いは、積極的な目で待つしか無いのだろう。

子猫とネオが遊び、一緒に眠る顔、ごはんを食べる姿、
いろんな様子を一つ一つ想像して行くと
それらの景色にだんだん色が付いて来るように思える。

世の中を眺めてみれば、掛ける眼鏡で何色の世界にも見ることが出来る。
しかし、現実の世の中をイメージしたままの世界に変えることは出来ない。

自分の他に存在する生き物たちと影響し合うことで、美しい世界を創り出す可能性は尊い。
これらは、未だ描き始める前の画面をぢっと見つめ、
これから描き出される新しい世界をイメージしていると、
現実と絵を重ね合わせた向こう側に見えてくる。

 

 

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