【第7話】今年の夏は、、、

言葉のスケッチ

暑さは安定したまま続き暦の「処暑」の字が知らない国の言葉の様にぼんやり見える。

大合唱で聞こえる蝉の種類や、夜になれば鳴いている虫の音には
秋のそれも混じり始めているのだが今年の夏は全く気が利かない。
毎日鳴き通しの蝉達もいい加減疲れているだろう。
秋の気配をみんなに知らせに登場した虫達も
場違いなところに出て来た様で鳴き声にも力が入るまい。

夏の初めは西瓜を冷やしてみたり風鈴を下げたり甚平を着てみたりしてみたが
この暑さ続きで上半身裸がユニホームになり風のない風鈴はだらりと下がったままである。
夏のいいところを探してみたが地塗りの乾燥が早い事の他に見つけられそうもない。

おや、遠雷だ、一雨願いたい。

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