1985年クリスマスイヴの晩
こうして書いているブログは毎日ストックの無いライブの状態で
今日も今日とて何もネタが浮かばない。
こんな調子でよくまあ一年間欠かさず続けて来れたものだと思う。
今日はクリスマスイヴなので何となく華やかで夢のあることを話題にしたくて
記憶を遡ってみると30年前の今日の事が頭に浮かんだ。
当時私は浪人生で年末年始も無く段々近づいてくる入試の事で頭がいっぱいの日々を送っていた。
美術予備校と下宿の往復だけの毎日にも街中のクリスマスムードは感じられたが
自分には関係の無い世界だと思っていた。
12月24日もいつもの様に暗くなるまで絵を描きそろそろ帰ろうと思ったら、
残っていた友達数人と「今日はクリスマスイヴじゃん、」
「教会に行ってみようか」と言う事になった。
信心からの発言ではない、巷の雰囲気の元はキリスト教会にある、ならば教会のミサに参列すれば
一番本格的なクリスマスイブが過ごせるのでは無いかとの考えからだった。
目白の教会は小ぢんまりしていた。
風の強い晩に教会に灯された明かりはより暖かい光に感じられた。
中に入って「ああ、いいもんだなー」と思ったのも束の間、
「さあ、ではキャロリングに出ましょう!」
ギターを持った盲目の信徒さんのリードで僕ら4人はその列に加わることになった。
そろそろ人影も疎らになりそうな時間帯、15人程のロウソクを灯した列は
「讃美歌〇〇番」と言われるごとに持たされた聖書のページを繰って後に続く
僕らを引き連れて街中から住宅街を歩いて行く。
静かな教会の中で暖かくも厳粛なクリスマスの晩をイメージし、
一杯のスープ、一切れのケーキまで夢が膨らんだ晩は
身体の芯まで冷え切るキャロリングに終わった。