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世界唯一の白亜地刻描の画家

それぞれの道程

Toyofumi Kaneko | 2016 - 09 - 24

ネオをバルコニーに出してやると、

私道のむこうをお腹の大きな雌猫が歩いて行くのが見え、

そのまま道路を横切り生垣を潜って視界から消えた。

雌猫を見送った後、我が家の庭にも私が気が付かないだけで、

きっと虫たちの道があるんだろうなと思う。

視線を上に向ければどこを飛んでも良さそうに見える空にも

鳥たちの道が有るのかも知れない。

その続きで生き物たちそれぞれの「道」を三次元空間に

線描して航跡を比べてみたら面白そうだなと考えるに至った。

自らに目を向ければ生まれてからこれまでの道のりは真っ直ぐではなかった。

ふと、私の軌跡も線にして何も無い空間に描いてみたら

どんなラインの集積になるのかなと思う。

天草付近を混み入って動いていた線がグーンと離れたのは高校を卒業し上京した時、

時々ホームタウンを離れるのは旅行の時、

また現在はアトリエ近辺でほとんど動かずにいるのかもしれない。

さらに、空間的な移動の軌跡だけでなく、人生の内面的な彷徨を

図式化する事が出来ればより興味深いものとなりそうだ。

私の空間的な移動はあと数十年後にはピタリと止まって動かなくなるだろう。

その一点がどこにあるかはあまり重要では無いけれど

内面が何処に至るかは何にも増して意味が大きい。

目の前のネオやモン、鳥や虫に至るまで行動の範囲やパターンは違っていても

哲学的な猫や志に満ちた犬、思慮深い鳥や慈愛に満ちた虫たちがいるかもしれない。

そう考えるとそれぞれの精神の到達点は種を超え「個」の在り方の軌跡として尊く思われた。

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