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世界唯一の白亜地刻描の画家

【第16話】メッセージ

Toyofumi Kaneko | 2010 - 11 - 05

この前まで暑かったと思ったら今朝はストーブを引っ張り出して
猫と一緒に暖をとっている。
いつの間にか街中でも日向を選んで歩いている自分に気が付く。
暑いと寒いの間に丁度良い頃合いがあったはずなのに季節までON、OFF(暑い、寒い)のデジタルになってしまっている気がして複雑な思いだ。

一体全体世の中の全ての始原は割り切れ無い中間値で成り立っている。
それを1や2や3に置き換えて考えてみましょうという考え方を数学と言い面倒な計算をON、OFFでこなしてくれるのがコンピュータである。
どちらも便利な発明品だが、現実を数字に置き換える際に情報の欠損が生じていることを忘れてはならない。
最初は粗かったデジタルカメラの画像が画素数を上げることで解決した様に見えるのは、
人間さんの(通常の)利用域の外に問題を追いやっただけである。
また最近よく耳にする「地球にやさしい」
これも地球には少しもやさしくは無いのが本当のところである。
「人間の未来に都合が良い」位の表現が順当であろう。

生き物達は皆ノーヒントでこの世の中に放り出されるところから生を始める。
そこからその種特有の環境に対する接し方を学びながら生きていく訳だが
とりわけ人間の影響力は他の種に対して大きい。
その人間さんはと言えば飛行機を作れば墜落するし
自動車を作れば事故が起こる未熟加減である。
今の飛行機は何とか飛べる謂わば飛行機の雛である。
鳥ははたから見てどちらが親鳥だかわからない位の成長を待って一躍の時を迎えるが、
生まれたばかりのにみんなで乗り込むのだから堕ちるのも無理は無かろう。

絶対に堕ちることの無い「飛行機の大人」や「全く新しい数学」を作り出す天佑の芽生えは、
幼いころ誰もが持っている素朴な疑問や生き物としての当たり前の考え方の中に
隠されているはずである。

先月帰郷の折一泊した妹の家で、子猫と一緒になって遊ぶ小学校に通い始めた甥と姪を眺めながら、
教育の波の中に掻き消されやすいデリケートなそれを持ち続けながら
大きくなって欲しいと願わずにはいられなかった。

確か誕生日が近かったと思う、「誕生日おめでとう」。

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