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世界唯一の白亜地刻描の画家

般ニャ心経

Toyofumi Kaneko | 2016 - 10 - 10

最近かかりつけの歯医者さんの待合で手に取って順番を待つ般若心経の本があります。

元来無神論の無信仰で、自分が死んで神様に会ったら一発ぶん殴ってやろうと思っている私に、

経の中に功徳のおこぼれでも拾えないかと柄に無い下心が芽生えたわけではありません。

猫の写真の表紙に、般ニャ心経とあったので何ぞやと思い手に取ってみた訳です。

さて、ページをめくると色んな猫の写真に人間臭いコメントを加えたページが構成されています。

つらつらとそれらを眺めていくと巻末に般若心経とその解説が付いています。

今まで般若心経という超有名なお経があるのは知っていましたが、

その意味は理解しないまま生きてきました。

そういえば、御祈祷の演奏(読経)が好きでたまに聴きに行く川崎大師も〆は般若心経。

どうせ他に何に使うでもない順番待ちの時間に、

一つ偉大なる経を諳んじてみるのも一興と愉快な構図が頭に浮かびます。

果たして、それから先は一寸した鬼のすみか。

たった278文字なれど意味も解せず難解な漢字を覚えていくのは

ロシアやアラビアの文字を覚えるのと等しく278個の記号の暗記に

他ならない事がすぐにわかりました。

これはいけない、ならば音と意味の二本立てで行けばもっとすんなり覚えられるに違いない。

原文はひとまず置いておいて、解説文に取り掛かります。

生きもしないし死にもしない、受想行識 亦復如是、、

全ての苦しみは存在しないしまたその苦しみが無くなることもない、、。

まるで矛盾だらけです。

帰宅して般若心経の解説をインターネットで調べてみると

候補を幾つか見つけることが出来ました。

内容のしっかりした解説はどうやら2つ、その片方が先のものでした。

大層怪しい矛盾だらけに見える解説文がどうやらまともなものらしい。

諦めて何回も繰り返し読んでみることにします。

そういえば、雲水達も分るの解らないのつべこべ言わず

ひたすら読経を繰り返しながら悟りへと向っていくし、

当初予想もしなかった効果が発生し収穫となるのは人間の努力の偉大なところ。

読書100回、意自ずから生ずです。

読み込んで行くと、その解説文は少し正確性に欠けるところはあっても

矛盾は無いことがわかってきます。

また、般若心経は宗教の範疇を超えて、はるかに大きい世界観宇宙観を

書いてあるお経だということも理解できました。

子供に「神様が人間をつくったんでしょ?でも神様をつくったのは人間なんでしょ?」

と聞かれて困る程度の神や、ひたすら祈れば大丈夫、全ては神のおぼしめし、

なんて言う人間の作った不細工な神様では、目の前の苦痛一つ無くしてはやれない。

私が死んでから一発殴るつもりの神様は、人間が作り出した神ではなく

この宇宙全てを始めた輩です。

そもそも何も無いところには、物語こそ無いけれど罪の発生もない。

生老病死、苦しみ痛み悲しみを山ほど生み出すことを承知したたうえで

宇宙を始めたとは僕には思えないので、その無計画性に鉄拳で喝を入れてやるつもりなのです。

生まれてきた生き物全てが幸せだけで一杯の生涯を送れる様にしてやれない

無能には昔から腹が立っていました。

また、私は生まれて間もなくのことを覚えていますが、その時思ったことは

自分の体の事を、この新しい入れ物はなんて不自由なんだろう、でした。

きっと生まれてくる前も、宇宙のどこかで何者かとして、

存在した記憶があったのだと思います。

仏教的な言い方をすると輪廻転生でしょうか。

般若心経にはそんなことにもつながる内容が記されていました。

肝心の暗唱の方は未だ半分どころなので、歯の治療が終わるまでには

何とかしようと思っています。

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