「それぞれの思い込み」

それぞれの思い込み

普段の生活で「自分の考えの地平線」にもなっている思い込みは
制作中モチーフや画面を正しく観る妨げになることが多い有難くないものです。
その思い込みでちょっと思い出したことがあるので書いてみます。

ずいぶん前の事ですが、アトリエに沢山の段ボール箱に入った荷物がありました。
そこへやって来た猫君、どこを通るかと思いきや、
壁際の狭い箱の間をすり抜けて行き来します。

私はもっと広くて通りやすい真ん中が空いているので
通路は当然そこと思っていました。
猫の顔は得意気です。
私を尻目に当たり前の様に往来して見せます。

先ずは自分の思い込みを反省した後
ちょっと意地悪な考えが浮かんだ私は、
猫の通り道の段ボール箱をグイと押して狭めてやりました。
うんと狭くなったそこはもはや猫をもってしても通れる幅ではありません。

再びやって来た猫君、
一瞬立ち止まった後どうするかと思いきや無理やり通ろうとしています。

もちろん無理です。

猫も立派に思い込んでいます。

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